メンヘラ女とのデートはちゃんとリードしてよ
私の元彼はとっても立派な人です。でも、メンヘラの私をあっさり捨てた。そのせいか、恨むことも嫌いになることも中途半端で出来ない。今でも大好き、なんだと思う。
付き合っているときは欠点を一つも見つけられなかった。今思うと、お互い久しぶりの恋だったので、自分の心の揺れに目を奪われて相手の気持ちを思いやる余裕がなかった。彼は自分のこと「子供」ってよく言っていた。そして、メンヘラ相手の私に「君の事は「お姉さん」みたいなかんじがするな」なんてしれっとしていう。
「ハイハイ、それじゃあ私はかわいい坊や誘惑する悪いメンヘラねえさんだね……」
ってそういう役割演じさせられちゃったけど、実際は私のほうがずっと幼くて、そのくせ彼との関係の終わりを正確に予測していていつもそれを恐れて怯えていた。
古いけど『アリーマイラブ』のアリーがラリーという新しい彼を見つけてこの人となら、って歩みだして彼の方はもうじきプロポース、って思っていたのにアリーはもうじき別れを切り出されるって怯えまくっていた。それと同じ。私は幸せが居心地悪くて、いつこの天にも昇る気持ちから突き落とされるんだろう、って先回りして泣いてパニクっていた。彼に何か言われるたびに些細な注意や独白のような感想でも、
「今別れ話してる?」
って恐る恐る聞いたり、
「もういい。何も言わなくてもわかってる」
って独りで暴れたりしていた。2回しかデートしなかった。一回目のデートだと言うのに彼は何のコースもプランも持っていなかった。だってこういうことわからないんだもん。という。時間が限られていると言うのに
「どこ行きたい?何したい。なんでも希望をいっていいよ」
なんてまるでサンタクロースみたいな甘いこといって私を溶かしてしまった。
今までそんなふうに人に希望を聞いてもらったことのない私はそれだけでめろめろになり勘違いした。そう、勘違い。彼は何の準備もしていなかっただけ。ただそれだけなのに、私もこの人の望みはなんでも聞いてあげよう、って気になっちゃった。
なんでもすぐさまほいほい許す女なんて男にはつまらないよね。でも、そういう基本的なことも、長く現役退いていたのでわからなくなっていた。彼が連れて行ってくれるところならどこでもついて行く気でいたのに、彼はアテもなく車を走らせるだけ。ずっと走り続けているのにどこにも向かわない。
どこにもいけない。最初からメンヘラ相手の恋愛の行く末を暗示しているようなデートだった。
もし、これを読んでいる男性がいたら忠告しておく。デートはちゃんとリードしてよ。
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