メンヘラ女が終わった恋を引きずる理由
メンヘラ女って失恋をなんでいつまでもこう引きずるんだろう、って我ながらいやになってるんでいろいろ分析してみた。今までの人生全て賭けるってことなかったんだよね? それは、賭けるに値することを見つけられなかったってことと、そういう生き方かっこ悪い、って思っていたのと、全てを賭けて負けたら身の破滅だからそういう賭けはしないほうがいい、って思ってたから。
なのに、彼には出会った瞬間から何か心の奥に求めるものがあって、その思いを4年近く隠し続けてきた。自分で認めたくなかったし、密かに思っていられればそれで満足だったし、滅多に会えない私には手の届かない相手だからって諦めていたのもあるし、会えたとき、なんとなく漂う緊張感と甘美な空気が好きだったし、このまま一生心の中のスペシャルなポジションにいる人、っていうか話せばわかりあえる同志っていうか、そんなふうに思ってた。恋ではなかった。
その彼が突然「今度デートしよう」って誘ってくれた。うれしさのあまり、摂食依存の治療になりそうなぐらい食も細った。うれしかったけど、え、有り得ないことじゃん。てまず否定しちゃった。こっちもこぶつきでいろいろごちゃごちゃしてるから時間作れないよ、って断っちゃった。
一歩前に進むのが怖かったのかなあ私。とにかく、断り続けてる間だけは甘い言葉で口説いてくれた。
この人となら、今まで味わったことのない幸せ味わえるかなあ。自分にできない考え方とか知らなかった世界とか知ることができるかなあ、もうちょっとマシな自分になれる神様が与えてくれた最後のチャンスかなあとまで思ってしまった。
それで思い切って彼の腕の中に飛び込んだつもりだったのに、見事に体をかわされてしまって、地面に激突。痛いよぉ?痛いよぉ?
もう起き上がる気力も勇気もない。起きても何もいいことないもん。もう、今まで信じてきたもの、自分の勘とか人を見る目とか全部信じられない。何を頼りに生きていけばいいのかわかんないよ。
比喩表現じゃなくて、本当にほんの一時だけど、彼は「私のすべて」だった。ほんの一時だけど、それで全てが変わってしまった。彼がろくでなしなら、自分の人を見る目だけを疑えばいいけど、彼は最高の人だった。
人に親切で優しくて、決断力もあって、人間だけじゃなくて地球全体のこと考えていて、お話も上手で、愉快な人で非の打ち所がなかった。彼の周りには若いかわいい女の子とかきれいな女優さんとか有名人とかいて、そんな中で、そんな人に誘ってもらえたってだけで私は優越感持てた。ボーダーで摂食障害でメンヘラ女なのに彼に選ばれた、ってだけで、自分は誰もめもくれないようなつまらない人間じゃないんだ。って思えた。
その彼に捨てられると、もう人間として生きる価値がないように思ってしまう。誰がなんといってくれても彼より素晴らしい人はいないし。
落ち込む材料しか見つからない。これからどうやって生きていけばいいかわからないよ。このまま食べて寝てずっと目覚めずにいたい……。
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