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メンヘラとはメンタルヘルス不全によって心理思考が独自的すぎる者たちを指し示すネットスラング。で、境界性人格障害と摂食障害を併発するメンヘラ女が、が恋と人生について痛い書き方をしつつ……案外、まともなこと書いてるかもしれないブログ。
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欠点を直す? 先生傷つけてくれてありがとう

2016年8月30日火曜日 欠点 先生

「これを機会に自分の欠点を直してください。僕はそうするつもりです。でなければわざわざ会う意味がない。」

 イマドキ、高校の生徒会長だって、言わないようなことを彼に言われました。「正しい男女交際とは?」みたいだよね?
う?ん、エグイ。イマドキ、こんなこという人いるんだぁ。
ってびっくりしちゃったついでに戸惑いました。

え、私の何が気に入らなくて、そんなこと言い出したの?って。

「僕はそうするつもりです」って「僕」に欠点なんかないじゃない。私は全部好きだった。おっちょこちょいなところも、お人よしなところも、それでいて、心の奥では意外と冷静に物事みているところも。自分のこと省みないで人のことで頑張っちゃうところ大好きだった。法螺みたいな大風呂敷広げるところも、単純に物事の表面見て信じちゃうところも、太っているところも、人に厳しいところも、大雑把で几帳面でアンバランスなところも全部全部好きだった。
それは全部私にとって愛すべき点でこそあれ、直すべき欠点など一つも見当たらなかった。今になって、やっとちょっと受け手の気持ち考えずに思ったこと言っちゃう素直さがちょっと恨めしい。でも、それはついつい同じ間違いをしがちな私を諌めるための小道具なのだとさっきわかった。
 今までそうして傷つけてきた人ごめんなさい。あなたに負わせた傷は治せないけど、これから先傷つけるようなことはしないよう気をつけます。


 まだ付き合って日も浅く、「あばたもえくぼ」に見えていい時期なのに「自分の欠点」て、彼には私の何が欠点に見えるのか、私にどうしろ、って言ってるのかわからなくて、
・・・だって、私の持論じゃ、短所=長所だったから。

それに高校2年の時の担任の先生。ぼよよ?んとしててだらしなくて他のクラスの生徒からは嫌われ者なんだけど、受け持ちのクラスからは絶大な人気がある奇妙な英語の先生。あれ、名前なんだっけ?全然思い出せない。同じ苗字の先生が二人いた。ってことまで思い出せるのに、ダメだ。記憶が剥がれ落ちてる。確か「松」の字がついた。

 ともかく、その先生がある日、何かの時間に言ったのよね。黒板に多角形を描いて、
「これがある人だったとする。ここに悪いところ、その人の欠点が飛び出して見えたとする。」
と、角の一つを指して、それを切り取るような線を描き、
「直そうと思ってそこを切り捨てる。と、また別の角がここが悪いところ、と切り取る。そうやって欠点を切り捨てていくとどんどんその人は小さくなってしまう、と。(角も増えるばかりだしね)だから、そうじゃなくて、欠点を直そう、切り捨てようとするんじゃなくて、全部包み込むように、」
と多角形を大きく円で囲み、
「もっとその欠点も伸ばすくらい大きい人間になれるように目指した方がいい。と昨日ある人から聞いて、なるほどなあと思いました。」
って昨日の出来事の報告。自分の意見じゃない。

その先生が受け持ちクラスの生徒に愛されるのは、何も押し付けないから。建前で怒らないから。

 年賀状出すと、こんな返事が来る。

「今年も君らしくあれ!」

普通に印刷された年賀状にボールペンで一言書きなぐって添えてくれた。
「一応、エンガに年賀状出したら返事来た。」
「アタシも?、ね、なんて書いてあった?」
「『今年も君らしくあれ!』」
「アタシも?」
そんな先生だった。エンガはその先生の渾名。汚いから『エンガチョ』ってされて、その短縮形。

 いい加減な先生で、ある日誰かがイタズラで後ろの黒板に
「おいら、桑田。今日は予習ばっちり。指してチョー」
と落書きした。
 英語の時間、見事にエンガはそのイタズラに嵌まって、
「お、殊勝な心がけだなあ。えらいなあ。それじゃ本人のやる気を尊重して、桑田!おい、桑田!」
って、・・・先生、うちのクラスに桑田なんていません。
いい加減生徒の名前覚えてよね?て、みんな心の中で笑ってる。
「なんだよー桑田ぁー」
なんてまだ言ってる。

 先生方の間でも嫌われ者で、几帳面な数学の先生なんか
「このクラスは担任がだらしないから掃除が行き届いていないな。もっと掃除の時間にちゃんと掃除しなさい。」
なんて露骨に嫌味言ってたっけ。でも、みんな心の中じゃ私たちだけがエンガのいいところ、知ってるって共犯意識持ってて、その先生の押し付けなんか全然聞かないの。

 「思うところあって」と私たちが二年生の時、いきなり退職しちゃった。そのことすら、進学前の受け持ちの生徒を途中で放り出して無責任な、みたいに生徒の前で非難する先生がいた。

 離任式の日、今まで受け持たれたことのある女子はこぞってお別れの握手を求めた。「先生、握手してください!」と駆け寄る生徒の群れに周りの先生はわけがわからず、ア然呆然としていた。ご本人も思わぬ人気ぶりに驚き、「へへ、おれ、手洗ったかなあ。」と群がる女の子を引かせるようなこと言って「しばらく手を洗わないでおこう」とへらへら笑って周りを笑わせた。それが先生を見た最後の姿だった。

で、少しの間は隣の大きな駅で見かけたとかいう噂も聞いたけど、やがて消息不明。誰も行方を知らない。警察から学校にこっそりこの人の行方を知りませんか、と照会が来たらしい。つまり警察も先生の行方をつかめていないということ。別に犯罪犯したわけじゃないんだけどね。なにがあったんだろう??

どこにいるのか知らないけれど、黒板に大きな円を描いて、誰にでも
「君らしくあれ」
と言ってくれた先生、ありがとう。


「欠点を直してください。」と言われて彼には私のどこが欠点に見えているのだろう、っておろおろ。そこがメンヘラ気質?
外見は「痩せろー」で、内面は「欠点直せ」って両方気に入らないなら
なんで私にちょっかいかけたのよぉ。
最初からもっと良い人探して声かけたらいいじゃない。
私じゃなくていいじゃない。
私は断ったんだからぁー、って泣きそうだった。
そう、私は断ったんだから、最初。
「お付き合いできません」って。
「困ります」って。
ほらみろー、やっぱり今こんなに困っているじゃないかあ

 でもまあ、今振り返るとその時はもう恋に落ちていたんだと思う。始まっていたんだと思う。それで彼のこと知るにつれ、私はどんどん好きになっていくのに、もう欠点直せなんて新婚気分の冷めた亭主みたいに残酷。私は私のことそのまま好きになって欲しかった。君のままでいいよ、って言ってくれるのが愛ってものだと思ってた。

  間違ってましたね。なにもかも。彼は
「より完全な自分を目指せ」
って言いたかったんだと思う。別人格になれ、ってことじゃなくて
自分としてせいいっぱいできるだけ生きろ、ってことなのだろう。
悪いところは改めて、次には人を傷つけないように。
もっと強くなれるように、もっと優しくなれるように。

 彼は私とのことを自分の弱点にしたくなかったんだと思う。誰に何言われても、お互い切磋琢磨しあうかけがえのない仲です。って胸張って言えるように、頑張るから、君も頑張れ、って言ってくれたんだと思う。

 日陰でぐずぐずしている私に見かねて、日向に引っ張り出そうとしてくれた。
それをあの頃の私が受け止め切れなかった。
「お日様の下で笑える資格ありませんから、切腹?ぅ」
って尻込みする私に、
太陽は皆に等しくその光を降り注ぎ、別に資格なんか求めちゃいない、
ってこと教えてくれようとしたのだと思う。
そんなことくらいでいちいち切腹してるんじゃない、って叱ってくれた。

 でも、レベルが違いすぎて彼の言葉がそのときの私は理解できなかった。彼のステージまであがることができずに、欠点だらけの自分を全否定して全とっかえしなきゃ彼に認めてもらえないのぉ??
ってただただおろおろしていた。

 彼は頭の回転も良くて、きっとその時、もっと未来に目を向けていたのだと思う。そんな彼に「頭のいい人」って呼ばれてものすごいプレッシャーだった。彼の言葉全部わからなくちゃ。彼の先回りして待っててあげるのが私の役目だ、ってものすごーい無理してた。
出来もしないことやろうとしてた。

 今まだ彼の高次のレベルには登れていないけど、あの時の低次の自分を離れて潜望鏡みたいので彼のレベルがちょっと垣間見られるようになったように思う。

 この頃、少し、あ、これが『凡我一如』、って感じることがある。ミミさんが一度解脱して戻ってきたといってくれたけど、私もたいていはこっちの岸にいるのだけれど、たまにほんの一瞬、向こうの世界が覗けたような気がすることがある。何があるのかまではわからない。一瞬の光。

 もし彼が「欠点を直せ。」じゃなくて「自分を極めろ。」とか「君らしくあれ。」って言ってくれていたら私もこんなには傷つかなかったしドツボにもはまらなくて済んだかもしれない。そう思うと彼の言葉がちょっぴり恨めしい。でも、きっと彼の側から言わせれば
『国語の先生とか文学者じゃないんで、大意を汲んで勘弁してください。』
ってことなのだろう。大意を汲めない私の能力に非がある。ああ、そうかそういうことなんだ。人生って実に皮肉で面白いからくりに満ちているね。こんなところにそんな伏線敷いたの誰だよ、すんごいストーリーテーラーじゃん。泣きながら笑っちゃうなあ。

 言葉に左右されておろおろしていちゃダメ、その後ろにある心に目を向けなきゃ、って自分で思っていてあまりに大きい彼の心はあまりに小さい私の目には見えなかった。
ごめんね、理解できなくて。
ごめんね、理解を押し付けて。勝手な期待は重荷だよね。

 彼の言葉が理解できずに傷ついたので、
私の中でネズミどもがものすごい勢いで修復を試みる。
もし「君らしくあれ。」だったらここまで深くは考えようとしなかっただろう。
こんなに深く傷つかなければ、こんなに深く理解できなかった。一歩抜け出すこともできなかった。

 せっかく彼が与えてくれた機会だから。
ぐずぐず布団かぶって12年も起きてこない私を蹴飛ばして起こしてくれた彼にとっても感謝してる。すごい痛かったんだけど、そうされないと怠け者の私は起きようと思えなかった。それぐらい腐ってた。


ありがとう、傷つけてくれて。
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